・「膝(ひざ)を屈(くっ)する」と読みます。
・「屈」の意味 ①かがむ
②まがる
③つきる
④へりくだる
・「漢書」に次のような文があります。
・武帝が出兵し匈奴を討ったとき、
単于怖駭、交臂受事、屈膝請和。
単于怖れ駭き、臂を交えて事を受け、膝を屈して和を請う。
単于は恐れ驚き、拱手して受け入れ、へりくだって和睦を願い求めた。
・「顔氏家訓」に次のような文があります。
一旦屈膝而事人、豈以存亡而改慮。
一旦膝を屈して人に事ふれば、豈に存亡を以てして慮を改めんや。
いちど膝を曲げて人に仕えたならば、どうして存亡を原因として考えを改めるだろうか。
・漢文では「膝を屈する」のは、だいたい「和を請う」場合か「人に仕える」場合です。
・「和を請う」場合には「へりくだる」ことが「膝を屈する」ことです。
・「人に仕える」場合、その人の指示・命令に従うことが「膝を屈する」ことです。
・山月記には「膝を俗悪な大官の前に屈する」と書かれています。
・「俗悪な大官に仕えて、その指示・命令に従う」という意味です。
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