[ 解説 ]
・題名 … 涼州詞(りょうしゅうし)
・作者 … 王翰(おうかん)
・詩形 … 七言絶句(しちごんぜっく)
・押韻(おういん) … 杯、催、回
・主題 … 酒に酔って自分の置かれた過酷な状況を忘れようとする、辺境の地に出征している兵士の心情を描いている。
[ 現代語訳・書き下し文・原文 ]
涼州詞
・涼州詞 … 辺塞をうたった歌曲
葡萄美酒夜光杯
葡萄の美酒夜光の杯
葡萄で作ったおいしい酒をガラスの杯に満たし、
・葡萄(ぶどう) … ぶどう
・美酒(びしゅ) … おいしい酒
・夜光の杯(はい) … 西域伝来のガラスの杯
欲飲琵琶馬上催
飲まんと欲して琵琶馬上に催す
飲もうとすると馬上で琵琶が鳴り響いて酒興をそそる。
・欲〜 … 〜ようとする、読み「ほっス」
・催(もよお)す … 酒興をそそる
酔臥沙場君莫笑
酔ひて沙場に臥す君笑ふこと莫かれ
酔って砂漠に横たわる、君よ、笑わないでくれ。
・沙場(さじょう) … 砂漠
・莫〜 … 〜するな(禁止)
読み「〜なカレ」
古来征戦幾人回
古来征戦幾人か回る
昔から戦争に行ってどれだけの人が生還しただろうか。
・古来(こらい) … 昔から
・征戦(せいせん) … 戦争に行くこと
・幾人(いくにん) … どれだけの人
・回(かえ)る … 返る
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