よろづのことは頼むべからず


・ 縦書き、原文に助動詞の意味を付記

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  [ 現代語訳・原文・助動詞1 ]

よろづのことは頼むべからず・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ 頼む … 頼りにする

・ おろかなり … 知恵が足りない

・ 勢ひ … 社会的な支配力

・ こはし … 強い

・ 時の間 … ほんのわずかの間


  [ 現代語訳・原文・助動詞2 ]

よろづのことは頼むべからず・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ 才 … 学問

・ 寵 … 特に深く愛すること

・ 誅を受く … 罪を負って殺される

・ 奴 … 召使い


  [ 現代語訳・原文・助動詞3 ]

よろづのことは頼むべからず・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ 走る … 逃げる

・ 志 … 心の働き

・ 是なり … 具合が良いさま

・ 非なり … 具合が悪いさま


  [ 現代語訳・原文・助動詞4 ]

よろづのことは頼むべからず・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ さはる … 自由な活動の妨げになる

・ 塞がる … つまる

・ ひしぐ … 押されてつぶれる

・ 逆ふ … ぶつかる

・ ゆるし … ゆるやかである


  [ 現代語訳・原文・助動詞5 ]

よろづのことは頼むべからず・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ 一毛 … ごくわずかな物のたとえ

・ 損ず … こわれる

・ 霊 … 霊妙なもの




    [ 現代語訳 ]

すべてのことは頼りにすることができない。

知恵の足りない人は、深く物事を頼りにするから、恨んだり、怒ったりすることがある。

権力があるからといって頼りにはできない。

強力な者は先に滅びる。

財産が多いからといって頼りにはできない。

わずかの間に失いやすい。

学問があるからといって頼りにはできない。

孔子も時勢に合わなかった。

人徳があるからといって頼りにはできない。

顏回も不幸だった。

主君の寵愛も頼りにはできない。

たちまち罪を負って殺されることになる。

召使いが服従しているからといって頼りにはできない。

背いて、逃げることがある。

人の好意も頼りにはできない。

必ず変わる。

約束も頼りにはできない。

それを守る信義のあることは少ない。

自分も他人も頼りにしないでいると、うまくいった時は喜び、うまくいかない時は恨むことがない。

左右が広ければ活動の妨げにならない。

前後が遠く離れていれば先がつかえることはない。

狭いときは押されてつぶれ砕ける。

心を配ることが少なくて厳格なときは、何かと物事に逆らい、争って傷つく。

ゆるやかで柔軟なときは、いささかも傷つくことがない。

人は天地の間で最も霊妙なものである。

天地は広大無限のものである。

人の本性もどうして異なるだろうか。

人の心が広々として詰まっていないときは、喜怒の感情はその妨げにならず、物事のために悩み苦しむことはない。


    [ 原文 ]

よろづのことは頼むべからず。

おろかなる人は、深くものを頼むゆゑに、恨み、怒ることあり。

勢ありとて頼むべからず。

こはき者まづ滅ぶ。

財多しとて頼むべからず。

時の間に失ひやすし。

才ありとて頼むべからず。

孔子も時に合はず。

徳ありとて頼むべからず。

顔回も不幸なりき。

君の寵をも頼むべからず。

誅を受くること速やかなり。

奴従へりとて頼むべからず。

背き、走ることあり。

人の志をも頼むべからず。

必ず変ず。

約をも頼むべからず。

信あること少なし。

身をも人をも頼まざれば、是なるときは喜び、非なるときは恨みず。

左右広ければさはらず。

前後遠ければ塞がらず。

せばきときはひしげ砕く。

心を用ゐること少しきにしてきびしきときは、ものに逆ひ、争ひて破る。

ゆるくしてやはらかなるときは、一毛も損ぜず。

人は天地の霊なり。

天地は限るところなし。

人の性なんぞことならん。

寛大にしてきはまらざるときは、喜怒これにさはらずして、もののためにわづらはず。




    [ 品詞分解1 ]

・ よろづ … 名詞

・ の … 格助詞

・ こと … 名詞

・ は … 係助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ おろかなる … ナリ活用の形容動詞「おろかなり」の連体形

・ 人 … 名詞

・ は … 係助詞

・ 深く … ク活用の形容詞「深し」の連用形

・ もの … 名詞

・ を … 格助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の連体形

・ ゆゑ … 名詞

・ に … 格助詞

・ 恨み … マ行上二段活用の動詞「恨む」の連用形

・ 怒る … ラ行四段活用の動詞「怒る」の連体形

・ こと … 名詞

・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の終止形

・ 勢ひ … 名詞

・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の終止形

・ とて … 格助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ こはき … ク活用の形容詞「こはし」の連体形

・ 者 … 名詞

・ まづ … 副詞

・ 滅ぶ … バ行上二段活用の動詞「滅ぶ」の終止形

・ 財 … 名詞

・ 多し … ク活用の形容詞「多し」の終止形

・ とて … 格助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 時 … 名詞

・ の … 格助詞

・ 間 … 名詞

・ に … 格助詞

・ 失ひ … ハ行四段活用の動詞「失ふ」の連用形

・ やすし … ク活用の形容詞「やすし」の終止形


    [ 品詞分解2 ]

・ 才 … 名詞

・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の終止形

・ とて … 格助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 孔子 … 名詞

・ も … 係助詞

・ 時 … 名詞

・ に … 格助詞

・ 合は … ハ行四段活用の動詞「合ふ」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 徳 … 名詞

・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の終止形

・ とて … 格助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 顏回 … 名詞

・ も … 係助詞

・ 不幸 … 名詞

・ なり … 断定の助動詞「なり」の連用形

・ き … 過去の助動詞「き」の終止形

・ 君 … 名詞

・ の … 格助詞

・ 寵 … 名詞

・ を … 格助詞

・ も … 係助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 誅 … 名詞

・ を … 格助詞

・ 受くる … カ行下二段活用の動詞「受く」の連体形

・ こと … 名詞

・ 速やかなり … ナリ活用の形容動詞「速やかなり」の終止形

・ 奴 … 名詞

・ 従へ … ハ行四段活用の動詞「従ふ」の命令形

・ り … 存続の助動詞「り」の終止形

・ とて … 格助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形


    [ 品詞分解3 ]

・ 背き … カ行四段活用の動詞「背く」の連用形

・ 走る … ラ行四段活用の動詞「走る」の連体形

・ こと … 名詞

・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の終止形

・ 人 … 名詞

・ の … 格助詞

・ 志 … 名詞

・ を … 格助詞

・ も … 係助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 必ず … 副詞

・ 変ず … サ行変格活用の動詞「変ず」の終止形

・ 約 … 名詞

・ を … 格助詞

・ も … 係助詞

・ 頼む … マ行四段活用の動詞「頼む」の終止形

・ べから … 可能の助動詞「べし」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 信 … 名詞

・ ある … ラ行変格活用の動詞「あり」の連体形

・ こと … 名詞

・ 少なし … ク活用の形容詞「少なし」の終止形

・ 身 … 名詞

・ を … 格助詞

・ も … 係助詞

・ 人 … 名詞

・ を … 格助詞

・ も … 係助詞

・ 頼ま … マ行四段活用の動詞「頼む」の未然形

・ ざれ … 打消の助動詞「ず」の已然形

・ ば … 接続助詞

・ 是 … 名詞

・ なる … 断定の助動詞「なり」の連体形

・ とき … 名詞

・ は … 係助詞

・ 喜び … バ行四段活用の動詞「喜ぶ」の連用形

・ 非 … 名詞

・ なる … 断定の助動詞「なり」の連体形

・ とき … 名詞

・ は … 係助詞

・ 恨み … マ行上二段活用の動詞「恨む」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形


    [ 品詞分解4 ]

・ 左右 … 名詞

・ 広けれ … ク活用の形容詞「広し」の已然形

・ ば … 接続助詞

・ さはら … ラ行四段活用の動詞「さはる」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 前後 … 名詞

・ 遠けれ … ク活用の形容詞「遠し」の已然形

・ ば … 接続助詞

・ 塞がら … ラ行四段活用の動詞「塞がる」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ せばき … ク活用の形容詞「せばし」の連体形

・ とき … 名詞

・ は … 係助詞

・ ひしげ … ガ行下二段活用の動詞「ひしぐ」の連用形

・ 砕く … カ行下二段活用の動詞「砕く」の終止形

・ 心 … 名詞

・ を … 格助詞

・ 用ゐる … ワ行上一段活用の動詞「用ゐる」の連体形

・ こと … 名詞

・ 少しきに … ナリ活用の形容動詞「少しきなり」の連用形

・ して … 接続助詞

・ きびしき … シク活用の形容詞「きびし」の連体形

・ とき … 名詞

・ は … 係助詞

・ もの … 名詞

・ に … 格助詞

・ 逆ひ … ハ行四段活用の動詞「逆ふ」の連用形

・ 争ひ … ハ行四段活用の動詞「争ふ」の連用形

・ て … 接続助詞

・ 破る … ラ行下二段活用の動詞「破る」の終止形

・ ゆるく … ク活用の形容詞「ゆるし」の連用形

・ して … 接続助詞

・ やはらかなる … ナリ活用の形容動詞「やはらかなり」の連体形

・ とき … 名詞

・ は … 係助詞


    [ 品詞分解5 ]

・ 一毛 … 名詞

・ も … 係助詞

・ 損ぜ … サ行変格活用の動詞「損ず」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ 人 … 名詞

・ は … 係助詞

・ 天地 … 名詞

・ の … 格助詞

・ 霊 … 名詞

・ なり … 断定の助動詞「なり」の終止形

・ 天地 … 名詞

・ は … 係助詞

・ 限る … ラ行四段活用の動詞「限る」の連体形

・ ところ … 名詞

・ なし … ク活用の形容詞「なし」の終止形

・ 人 … 名詞

・ の … 格助詞

・ 性 … 名詞

・ なんぞ … 副詞

・ ことなら … ナリ活用の形容動詞「ことなり」の未然形

・ ん … 推量の助動詞「ん」の連体形

・ 寛大に … ナリ活用の形容動詞「寛大なり」の連用形

・ して … 接続助詞

・ きはまら … ラ行四段活用の動詞「きはまる」の未然形

・ ざる … 打消の助動詞「ず」の連体形

・ とき … 名詞

・ は … 係助詞

・ 喜怒 … 名詞

・ これ … 代名詞

・ に … 格助詞

・ さはら … ラ行四段活用の動詞「さはる」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の連用形

・ して … 接続助詞

・ もの … 名詞

・ の … 格助詞

・ ため … 名詞

・ に … 格助詞

・ わづらは … ハ行四段活用の動詞「わづらふ」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形






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