九月二十日のころ


・ 徒然草「九月二十日のころ」の現代語訳と品詞分解です。現代語訳と品詞分解を並べて記載しています。

・ 500個ほど有るといわれている重要語句はカラーで表示しています。150個ほど有るといわれている最重要語句には印を付けています。

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       [ 現代語訳・品詞分解・原文 ]

九月二十日のころ・徒然草 現代語訳・品詞分解・原文


       [ 詳しい解説 ]

九月二十日のころ、ある人に誘はれ奉りて、
奉(たてまつ)り
九月二十日頃、ある人に誘われ申し上げて、
・ 誘は … ハ行四段活用の動詞「誘ふ」の未然形
・ れ … 受身の助動詞「る」の連用形
・ 奉り … ラ行四段活用の謙譲の補助動詞「奉る」の連用形
☆ 奉る … 申し上げる

明くるまで月見歩くこと侍りしに、
歩(あり)く、侍(はべ)り
夜が明けるまで月を見て歩き回ることがありましたが、
・ 明くる … カ行下二段活用の動詞「明く」の連体形
・ 見歩く … カ行四段活用の動詞「見歩く」の連体形
・ 侍り … ラ行変格活用の動詞「侍り」の連用形
☆ 侍り … 「あり」の丁寧語
・ し … 過去の助動詞「き」の連体形

おぼし出づる所ありて、案内せさせて入り給ひぬ。
出(い)づ、案内(あない)、給(たま)ひ
思い出された所があって、取り次がせてお入りになった。
・ おぼし出づる … ダ行下二段活用の動詞「おぼし出づ」の連体形
☆ おぼす … 「思ふ」の尊敬語
・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の連用形
・ 案内せ … サ行変格活用の動詞「案内す」の未然形
・ させ … 使役の助動詞「さす」の連用形
・ 入り … ラ行四段活用の動詞「入る」の連用形
・ 給ひ … ハ行四段活用の尊敬の補助動詞「給ふ」の連用形
・ ぬ … 完了の助動詞「ぬ」の終止形

荒れたる庭の露しげきに、わざとならぬにほひ、
荒れた庭で露が一面に降りている所に、わざわざ立てたのではない香りが、
・ 荒れ … ラ行下二段活用の動詞「荒る」の連用形
・ たる … 存続の助動詞「たり」の連体形
・ しげき … ク活用の形容詞「しげし」の連体形
○ しげし … たくさんある
・ なら … 断定の助動詞「なり」の未然形
・ ぬ … 打消の助動詞「ず」の連体形


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しめやかにうち薫りて、忍びたるけはひ、いとものあはれなり。
しっとりと薫って、ひっそり暮らしている様子は、とてもしみじみと趣きがある。
よきほどにて出で給ひぬれど、なほことざまの優におぼえて、
ほどよい頃に出て来られたが、やはり物事の様子が優雅に思われて、
物のかくれよりしばし見ゐたるに、
物陰からしばらく見ていると、
妻戸をいま少し押し開けて、月見る気色なり。
妻戸をもう少し開けて、月を見ている様子である。
やがてかけこもらしまかば、口惜しからまし。
すぐに鍵をかけて中にこもっていたら、残念に思っていただろう。
あとまで見る人ありとは、いかでか知らん。
あとまで見ている人がいるとは、どうして知るだろうか。
かやうのことは、ただ朝夕の心づかひによるべし。
このようなことは、もっぱら平素の心がけによるものだろう。
その人、ほどなく失せにけりと聞き侍りし。
その人は、間もなく亡くなったと聞きました。






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