よろづのことは月見るにこそ


・ 縦書き、原文に助動詞の意味を付記

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  [ 現代語訳・原文・助動詞1 ]

よろづのことは月見るにこそ・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ こそ(係助詞・強意) ⇒ なれ(已然形)

・ おもしろし … 趣がある

・ あはれなり … 情趣が深い

・ こそ(係助詞・強意) ⇒ けれ(已然形)

・ をかし … おもしろい


  [ 現代語訳・原文・助動詞2 ]

よろづのことは月見るにこそ・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ 折 … 時季

・ ふる … 出会う

・ かは(係助詞・反語) ⇒ ん(連体形)

・ さらなり … いうまでもない

・ 心 … 情趣を解する心

・ つく … 付着させる

・ 清し … 清らかで美しい

・ けしき … 様子

・ こそ(係助詞・強意) ⇒ めでたけれ(已然形)


  [ 現代語訳・原文・助動詞3 ]

よろづのことは月見るにこそ・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ 愁人 … 愁いに沈む人

・ こそ(係助詞・強意) ⇒ しか(已然形)


  [ 現代語訳・原文・助動詞4 ]

よろづのことは月見るにこそ・徒然草 現代語訳・原文・助動詞


     [ 語句 ]

・ さまよふ … ぶらつく

・ 慰む … 心が晴れる




    [ 現代語訳 ]

すべてのことは、月をながめることによって、気持ちが晴れるものだ。

ある人が、「月ほど趣があるものはないだろう。」と言ったところが、また他の人が、「露こそ情趣が深いものだ。」と言い争ったのは、おもしろい。

時季に適合すれば、何だって情趣の深くないものがあろうか。

月や花はいうまでもないが、まさに風こそ、人に感興を起こさせるもののようだ。

岩に砕けて清らかに流れる水の様子こそ、時季の区別なくすばらしい。

「沅水や湘水は日夜を分かたず東の方に流れ去る。愁いに沈む自分のために、しばらくの間もとどまってくれない。」と言っている詩を見ましたが、感慨深かった。

嵆康も、「山や沢に遊んで、魚や鳥を見ると心が楽しくなる。」と言っている。

人里から遠い、水や草の清らかな所をぶらぶら歩きまわることほど、気持ちが晴れ晴れすることはないだろう。


    [ 原文 ]

よろづのことは、月見るにこそ、慰むものなれ。

ある人の、「月ばかりおもしろきものはあらじ。」と言ひしに、またひとり、「露こそあはれなれ。」とあらそひしこそ、をかしけれ。

折にふれば、何かはあはれならざらん。

月・花はさらなり、風のみこそ、人に心はつくめれ。

岩にくだけて清く流るる水のけしきこそ、時をもわかずめでたけれ。

「沅湘日夜東に流れ去る。愁人のためにとどまることしばらくもせず。」と言へる詩を見侍りしこそ、あはれなりしか。

嵆康も、「山沢にあそびて、魚鳥を見れば心たのしぶ。」といへり。

人遠く、水草清き所にさまよひありきたるばかり、心慰むことはあらじ。




    [ 品詞分解1 ]

・ よろづ … 名詞

・ の … 格助詞

・ こと … 名詞

・ は … 係助詞

・ 月 … 名詞

・ 見る … マ行上一段活用の動詞「見る」の連体形

・ に … 格助詞

・ こそ … 係助詞

・ 慰む … マ行四段活用の動詞「慰む」の連体形

・ もの … 名詞

・ なれ … 断定の助動詞「なり」の已然形

・ ある … 連体詞

・ 人 … 名詞

・ の … 格助詞

・ 月 … 名詞

・ ばかり … 副助詞

・ おもしろき … ク活用の形容詞「おもしろし」の連体形

・ もの … 名詞

・ は … 係助詞

・ あら … ラ行変格活用の動詞「あり」の未然形

・ じ … 打消推量の助動詞「じ」の終止形

・ と … 格助詞

・ 言ひ … ハ行四段活用の動詞「言ふ」の連用形

・ し … 過去の助動詞「き」の連体形

・ に … 接続助詞

・ また … 接続詞

・ 一人 … 名詞

・ 露 … 名詞

・ こそ … 係助詞

・ あはれなれ … ナリ活用の形容動詞「あはれなり」の已然形

・ と … 格助詞

・ 争ひ … ハ行四段活用の動詞「争ふ」の連用形

・ し … 過去の助動詞「き」の連体形

・ こそ … 係助詞

・ をかしけれ … シク活用の形容詞「をかし」の已然形


    [ 品詞分解2 ]

・ 折 … 名詞

・ に … 格助詞

・ ふれ … ラ行下二段活用の動詞「ふる」の未然形

・ ば … 接続助詞

・ 何 … 代名詞

・ かは … 係助詞

・ あはれなら … ナリ活用の形動容詞「あはれなり」の未然形

・ ざら … 打消の助動詞「ず」の未然形

・ ん … 推量の助動詞「ん」の連体形

・ 月 … 名詞

・ 花 … 名詞

・ は … 係助詞

・ さらなり … ナリ活用の形動容詞「さらなり」の終止形

・ 風 … 名詞

・ のみ … 副助詞

・ こそ … 係助詞

・ 人 … 名詞

・ に … 格助詞

・ 心 … 名詞

・ は … 係助詞

・ つく … カ行下二段活用の動詞「つく」の終止形

・ めれ … 推定の助動詞「めり」の已然形

・ 岩 … 名詞

・ に … 格助詞

・ 砕け … カ行下二段活用の動詞「砕く」の連用形

・ て … 接続助詞

・ 清く … ク活用の形容詞「清し」の連用形

・ 流るる … ラ行下二段活用の動詞「流る」の連体形

・ 水 … 名詞

・ の … 格助詞

・ けしき … 名詞

・ こそ … 係助詞

・ 時 … 名詞

・ を … 格助詞

・ も … 係助詞

・ 分か … カ行四段活用の動詞「分く」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の連用形

・ めでたけれ … ク活用の形容詞「めでたし」の已然形


    [ 品詞分解3 ]

・ 沅 … 名詞

・ 湘 … 名詞

・ 日夜 … 名詞

・ 東 … 名詞

・ に … 格助詞

・ 流れ去る … ラ行四段活用の動詞「流れ去る」の終止形

・ 愁人 … 名詞

・ の … 格助詞

・ ため … 名詞

・ に … 格助詞

・ 住まる … ラ行四段活用の動詞「住まる」の連体形

・ こと … 名詞

・ 少時 … 副詞

・ も … 係助詞

・ せ … サ行変格活用の動詞「す」の未然形

・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形

・ と … 格助詞

・ いへ … ハ行四段活用の動詞「いふ」の命令形

・ る … 完了の助動詞「り」の連体形

・ 詩 … 名詞

・ を … 格助詞

・ 見 … マ行上一段活用の動詞「見る」の連用形

・ 侍り … ラ行変格活用の丁寧の補助動詞「侍り」の連用形

・ し … 過去の助動詞「き」の連体形

・ こそ … 係助詞

・ あはれなり … ナリ活用の形容動詞「あはれなり」の連用形

・ しか … 過去の助動詞「き」の已然形

・ 嵆康 … 名詞

・ も … 係助詞

・ 山沢 … 名詞

・ に … 格助詞

・ 遊び … バ行四段活用の動詞「遊ぶ」の連用形

・ て … 接続助詞

・ 魚鳥 … 名詞

・ を … 格助詞

・ 見れ … マ行上一段活用の動詞「見る」の已然形

・ ば … 接続助詞

・ 心 … 名詞

・ 楽しぶ … バ行四段活用の動詞「楽しぶ」の終止形

・ と … 格助詞

・ 言へ … ハ行四段活用の動詞「言ふ」の命令形

・ り … 完了の助動詞「り」の終止形


    [ 品詞分解4 ]

・ 人 … 名詞

・ 遠く … ク活用の形容詞「遠し」の連用形

・ 水 … 名詞

・ 草 … 名詞

・ 清き … ク活用の形容詞「清し」の連体形

・ 所 … 名詞

・ に … 格助詞

・ さまよひ … ハ行四段活用の動詞「さまよふ」の連用形

・ ありき … カ行四段活用の動詞「ありく」の連用形

・ たる … 存続の助動詞「たり」の連体形

・ ばかり … 副助詞

・ 心 … 名詞

・ 慰む … マ行四段活用の動詞「慰む」の連体形

・ こと … 名詞

・ は … 係助詞

・ あら … ラ行変格活用の動詞「あり」の未然形

・ じ … 打消推量の助動詞「じ」の終止形






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