百谷の王


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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

百谷王・老子 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 江海 … 大きな川と大きな海

・ 百谷 … 多くの谷

・ 下る … 低い所に位置する

・ 是を以つて … それで


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

百谷王・老子 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 処る … 位置する

・ 害 … 障害

・ 推す … 押し上げる




    [ 原文 ]

 江海所以能為百谷王者、以其善下之。

 故能為百谷王。

 是以聖人欲上民、必以言下之。

 欲先民、必以身後之。

 是以処上而民不重、処前而民不害。

 是以天下楽推而不厭。

 以其不争、故天下莫能与之争。


    [ 現代語訳 ]

大江や大海が百もの谷の王でいられる理由は、それがうまく多くの谷よりも低い所に位置しているからである。

だから、多くの谷の王となっていられるのである。

それゆえ、聖人は、民に上に立とうとすれば、その言葉を民にへりくだったものにする。

民の先に立とうとすれば、自分自身を民の後方にする。

それで、聖人が自分たちの上にいても民は重いと感じず、自分たちの前にいても民は邪魔と思わない。

それゆえ、天下の人々は聖人を上におしいただくことを楽しんで嫌がらない。

聖人は人と争わないので、天下に聖人と争うことのできる者はいない。


    [ 書き下し文 ]

江海の能く百谷の王たる所以の者は、其の善く之に下るを以つてなり。

故に能く百谷王と為る。

是を以つて聖人民に上たらんと欲せば、其の言を以つて之に下る。

民に先んぜんと欲せば、其の身を以つて之に後る。

是を以つて上に処るも而も民は重しとせず、前に処るも而も民は害とせず。

是を以つて天下推すを楽しみて厭はず。

其の争はざるを以つて、故に天下能く之と争ふ莫し。








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