愛に非ざるなり


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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

非愛也・韓非子 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 弱子 … 幼い子

・ 不可為前 … まさるものはない

・ 僻行 … 非行

・ 医に事ふ … 医者にかかる


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

非愛也・韓非子 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 疑し … よく似ている

・ 益無し … 役に立たない


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

非愛也・韓非子 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 子母 … 母親

・ 性 … 本性

・ 権 … 権力

・ 筴 … 策

・ 安〜 … どうして〜か、〜ない

  読み「いずクンゾ〜ヤ」(反語)




    [ 原文 ]

 不随師則陥於刑、不事医則疑於死。

 慈母雖愛、無益於振刑救死。

 則存子者、非愛也。

 子母之性愛也。

 臣主之権筴也。

 母不能以愛存家、君安能以愛持国。

 慈母之於弱子也、愛不可為前。

 然而弱子有僻行、使之随師、

 有悪病、使之事医。


   [ 現代語訳 ]

愛情深い母親の幼い子に対する関係では、愛にまさるものはない。

しかし、幼い子が非行をすれば、これを先生につかせ、悪い病気になれば、これを医者にかからせる。

先生につかなければ刑罰を受けることになり、医者にかからなければ死んだようになる。

愛情深い母親が愛しても、刑罰を受けないように死ぬことのないようにする上で、役に立たない。

つまり、子供を生存させ続けるものは、愛情ではないのである。

母親の本性は愛情である。

君主の権力は政策である。

母親は愛情によって家を存続させることはできない、君主はどうして愛によって国を維持することができるだろうか。


   [ 書き下し文 ]

慈母の弱子に於けるや、愛は前を為すべからず。

然れども弱子に僻行有れば、之をして師に随はしめ、悪病有れば、之をして医に事へしむ。

師に随はざれば則ち刑に陥り、医に事へざれば則ち死に疑し。

慈母愛すと雖も、刑より振ひ死より救ふに益無し。

則ち子を存する者は、愛に非ざるなり。

子母の性は愛なり。

臣主の権は莢なり。

母愛を以つて家を存すること能はず、君安くんぞ能く愛を以つて国を持せんや。






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