項王暴挙


・ 縦書き、全漢字に読み、ひらがな

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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

項王暴挙・鴻門之会 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 居る … とどまる

・ 屠る … 打ち負かす

・ 降 … 降伏した

・ 貨宝 … 財宝

・ 収む … 手に入れる


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

項王暴挙・鴻門之会 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 阻 … さえぎられる

・ 塞 … ふさがる

・ 肥饒なり … 肥えて豊かである

・ 覇たり … 国を統一し、治める

・ 残破す … 崩れ落ちる

・ 懐思す … 懐かしく思う


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

項王暴挙・鴻門之会 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 如〜 … 〜のようなものだ

  読み「〜ごとシ」(比況)

・ 繍 … 錦の着物

・ 誰〜 … 誰が〜するだろうか、しない

  読み「たれカ〜ゾ」(反語)

・ 沐猴 … 猿の類

・ 果たして … 思ったとおり

・ 烹る … 釜ゆでの刑に処す




    [ 原文 ]

 居数日、項羽引兵西、屠咸陽、

 殺秦降王子嬰、焼秦宮室。

 火三月不滅。収其貨宝・婦女而東。

 人或説項王曰、

 「関中阻山河四塞、

 地肥饒、可都以霸。」

 項王見秦宮皆以焼残破、

 又心懐思、欲東帰曰、

 「富貴不帰故郷、

 如衣繍夜行、誰知之者。」

 説者曰、「人言、

 『楚人沐猴而冠耳。』果然。」

 項王聞之、烹説者。


    [ 現代語訳 ]

数日とどまって、項羽は兵を率いて西に向かい、咸陽を滅ぼして、秦の降伏した王子嬰を殺し、秦の宮殿を焼いた。

火は三か月間消えなかった。

その財宝や婦女を手に入れて東に向かおうとした。

ある人が項王に説いて言うには、「関中は山や河に隔てられ四方とも塞がれていて、土地は肥えて豊かです。都にして天下を治めることができます。」と。

項王は秦の宮殿が全てすでに焼けて崩れ落ちているのを見て、また心中で故郷を懐かしく思い、東に帰ることを望んで言うには、「富貴になっても故郷に帰らないのは、錦の着物を着て夜道を行くようなものだ。誰がこれを知るだろうか。」と。

説いた者が言うには、「世間の人は言う、『楚の国の人は猿が冠をかぶっているだけだ。』と。やはりそのとおりだ。」と。

項王はこれを聞き、説いた人を釜ゆでの刑にした。




    [ 書き下し文 ]

居ること数日、項羽兵を引きて西し、咸陽を屠り、秦の降王子嬰を殺し、秦の宮室を焼く。

火三月滅せず。

其の貨宝・婦女を収めて東せんとす。

人或ひは項王に説きて曰はく、「関中は山河を阻てて四塞し、地は肥饒なり。都して以て覇たるべし。」と。

項王秦の宮室の皆以に焼けて残破せるを見、又心に懐思し、東帰せんと欲して曰はく、「富貴にして故郷に帰らざるは、繍を衣て夜行くがごとし。誰か之を知る者ぞ。」と。

説く者曰はく、「人言ふ、『楚人は沐猴にして冠するのみ。』と。果たして然り。」と。

項王之を聞き、説く者を烹る。






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