大丈夫当に此くのごとくなるべきなり


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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

大丈夫当に此くのごとくなるべきなり・項羽と劉邦 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 人と為り … 生来の性質

・ 隆準なり … 鼻すじが高い

・ 竜顔 … 龍のように眉の骨が丸く突き出している顔立ち

・ 須髯 … あごひげとほほひげ

・ 豁如たり … 心が大きく小事にこだわらない

・ 大度 … 広くて大きな度量


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

大丈夫当に此くのごとくなるべきなり・項羽と劉邦 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 壮 … 壮年

・ 亭長 … 宿駅の役場の長

・ 廷 … 政事を行う場所

・ 狎侮す … 軽んじ侮る

・ 媼 … 老婦人

・ 負 … 老婦人

・ 貰る … つけにして買う


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

大丈夫当に此くのごとくなるべきなり・項羽と劉邦 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 酤ふ … 酒を買う

・ 讎る … 売れる

・ 歳の竟はり … 年の暮れ

・ 券を折る … 信用証書を破る

・ 責を弃つ … 借金の取り立てをやめる


 [ 現代語訳・書き下し文4 ]

大丈夫当に此くのごとくなるべきなり・項羽と劉邦 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 繇す … 夫役に従事する

・ 縦観す … 思うままに見る

・ 喟然たり … 嘆息するさま

・ 太息す … 大きなため息をつく

・ 大丈夫 … 立派な男子




    [ 原文 ]

高祖為人、隆準而竜顔、美須髯。

左股有七十二黒子。

仁而愛人喜施、意豁如也。

常有大度。不事家人生産作業。

及壮、試為吏、為泗水亭長。

廷中吏、無所不狎侮。

好酒及色常従王媼・武負貰酒。

酔臥、武負・王媼、見其上常有竜、怪之。

高祖酤毎留飲、酒讎数倍。

及見怪、歳竟、此両家常折券弃責。


高祖常繇咸陽。縦観、観秦皇帝。

喟然太息曰、「嗟乎、大丈夫当如此也。」


    [ 現代語訳 ]

高祖の人となりは、鼻すじが高くて竜のような顔立ちで、あごひげとほおひげが美しかった。

左の股に七十二のほくろがあった。

思いやりの心があり、人を愛し、施しを好んで、心が大きかった。

いつも大きな度量をもち、家人のする生産作業には従事しなかった。

壮年になって、試しに採用されて役人になり、泗水の亭長となった。

役所の役人に、高祖が軽んじ侮らない者はいなかった。

酒と女色を好み、いつも王ばあさんや武ばあさんの店で、酒をつけで買った。

酔って横になると、武ばあさんや王ばあさんは、その上に常に竜がいるのを見て、不思議に思った。

高祖が酒を買い、留まって飲むごとに、酒の売り上げが数倍になった。

この不思議を見てから、年の暮れに、この両家はいつも借用証書を破って酒代の取り立てをやめた。

高祖はかって咸陽で夫役に従事し、自由に秦の皇帝を見物した。

大きなため息をついて言うには、「ああ、一人前の男たるもの、まさにこうであるべきだ。」と。




    [ 書き下し文 ]

高祖人と為り、隆準にして竜顔、須髯美はし。

左の股に七十二の黒子有り。

仁にして人を愛し施しを喜み、意豁如たり。

常に大度有り、家人の生産作業を事とせず。

壮に及び、試みられて吏と為り泗水の亭長と為る。

廷中の吏、狎侮せざる所無し。

酒及び色を好み、常に王媼・武負に従ひて酒を貰る。

酔ひて臥すに、武負・王媼、其の上に常に竜有るを見て、之を怪しむ。

高祖酤ひて留まり飲む毎に、酒讎るること数倍す。

怪を見るに及び、歳の竟はりに、此の両家常に券を折り責を弃つ。

高祖常て咸陽に繇し、縦観して秦の皇帝を観る。

喟然として太息して曰はく、「嗟乎、大丈夫当に此くのごとくなるべきなり。」と。






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