三たび往きて乃ち見る


・ 縦書き、全漢字に読み、ひらがな

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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

三往乃見・三国志 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 屯す … 同じ職業の者が寄り集まる

・ 器とす … 有用な人材として重んじる

・ 豈〜乎 … おそらく〜であろう

  読み「あニ〜か」(推量)


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

三往乃見・三国志 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 就く … 近づく

・ 屈して致す … 無理に招き寄せる

・ 宜〜 … 〜がよい

  読み「よろシク〜ベシ」(再読文字)

・ 駕を枉ぐ … 貴人がわざわざ立ち寄る

・ 顧みる … 訪ねる


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

三往乃見・三国志 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 人を屏く … 人ばらいをする

・ 傾頽す … 落ちぶれて滅亡する

・ 姦臣 … 邪悪な家臣

・ 主上 … 天子

・ 蒙塵す … 天子が都から逃げ出す

・ 孤 … 王侯の謙称

・ 大義 ⇒ 漢王朝の復興

・ 猖獗す … 失敗する


 [ 現代語訳・書き下し文4 ]

三往乃見・三国志 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 安〜 … どこに〜か

  読み「いづクニカ〜」(疑問)

・ 出だす … 表に出す

・ 已来 … その時から以後

・ 並ぶ … ひき続く

・ 起こる … 立ち上がる

・ 〜に勝ふ … 〜できる


 [ 現代語訳・書き下し文5 ]

三往乃見・三国志 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 微なり … わずかである

・ 非惟A、抑亦B也 … ただAだけでなく、さらにBである

  読み「たダニAノミニあらズ、そもそもまたBなり」

・ 抑 … あるいは

・ 謀 … 計略




    [ 原文 ]

 時先主屯新野。徐庶見先主。先主器之。

 謂先主曰、「諸葛孔明者、臥竜也。

 将軍豈願見之乎。」

 先主曰、「君与倶来。」

 庶曰、「此人可就見、不可屈致也。

 将軍宜枉駕顧之。」

 由是先主遂詣亮。凡三往、乃見。

 因屏人曰、「漢室傾頽、

 姦臣盗命、主上蒙塵。」

 孤不度徳量力、欲信大義於天下。

 而智術浅短、遂用猖獗、至于今日。

 然志猶未已。君謂計将安出。」

 亮答曰、「自董卓已来、豪傑並起、

 跨州連郡者、不可勝数。

 曹操比於袁紹、則名微而衆寡。

 然操遂能克紹。

 以弱為強者、非惟天時、

 抑亦人謀也。」


    [ 現代語訳 ]

その時、先主は新野に駐屯していた。

徐庶が先主にお目にかかった。

先主はこの人の才能を高く評価していた。

先主に対して言うには、「諸葛孔明は臥竜です。将軍は、おそらくこれに会いたいと思うでしょう。」と。

先主が言うには、「あなたに連れてきてもらいたい。」と。

徐庶が言うには、「この人は近づいて会うことはできますが、無理に招き寄せることはできません。将軍が乗り物をわざわざ立ち寄らせて訪問なさるのがよいでしょう。」と。

このことから、先主はすぐに諸葛亮を訪ねた。

あわせて三回訪問して、そして会った。

そこで人払いをして言うには、「漢王朝は落ちぶれて滅亡し、邪悪な家臣が天下を盗みとり、天子は都を逃げ出しました。私は人徳のほども実力のほども知らないで、大義を天下に広めようと思いました。しかし、智恵は乏しく戦術も劣っていて、とうとう失敗して、今日に至っています。しかし、志はそれでもまだ尽きていません。あなたの考えでは、策略をどこに用いようとするのですか。」と。

亮が答えて言うには、「董卓の時から以後、豪傑が相次いで立ち上がり、州にまたがり郡を連ねる者は、全てを数えあげることができません。曹操は袁紹に比べると、名声はわずかであって軍勢は少数です。しかしながら、曹操はとうとう袁紹に勝つことができました。弱者であったのに強者になった者は、ただ天の時に恵まれただけではありません、さらに、その人の計略にもよるのです。」と。




    [ 書き下し文 ]

時に先主新野に屯す。

徐庶先主に見ゆ。

先主之を器とす。

先主に謂ひて曰はく、「諸葛孔明は、臥竜なり。将軍豈に之を見るを願ふか。」と。

先主曰はく、「君与に倶に来たれ。」と。

庶曰はく、「此の人就きて見るべくして、屈して致すべからざるなり。将軍宜しく駕を枉げて之を顧みるべし。」と。

是によりて先主遂に亮に詣る。

凡そ三たび往きて、乃ち見る。

因りて人を屏けて曰はく、「漢室傾頽し、姦臣命を盗み、主上蒙塵す。孤徳を度り力を量らずして、大義を天下に信ばさんと欲す。而れども智術浅短にして、遂に用て猖獗して、今日に至る。然れども志猶ほ未だ已まず。君謂ふに計将に安くにか出ださんとするか。」と。

亮答へて曰はく、「董卓より已来、豪傑並びに起こり、州に跨がり郡を連ぬる者、数ふるに勝ふべからず。曹操袁紹に比ぶれば、則ち名は微にして衆は寡なし。然れども操遂に能く紹に克つ。弱を以て強と為る者、惟だに天の時のみに非ず、抑亦人の謀なり。」と。






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