仕へざれば義無し


・ 縦書き、全漢字に読み、ひらがな

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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

不仕無義・論語 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 従ふ … お供をする

・ 丈人 … 老人

・ 蓧 … 竹かご

・ 四体勤む … 手足を使って働く

・ 分かつ … 見分ける

・ 孰〜 … 誰を〜か

  読み「たれヲカ〜」(疑問)


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

不仕無義・論語 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 植つ … 立てる

・ 芸ぎる … 草を刈る

・ 拱す … 丁寧な礼をする

・ 黍 … きび飯


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

不仕無義・論語 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 長幼 … 年上と年下

・ 仕ふ … 仕官する

・ 義 … 人として踏み行うべき道

・ 節 … けじめ

・ 廃す … 捨てる


 [ 現代語訳・書き下し文4 ]

不仕無義・論語 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 如何〜 … どうして〜か、〜ない

  読み「いかんゾ〜ン」(反語)

・ 潔し … 汚れがない

・ 大倫 … 人としての大道


    [ 原文 ]

 子路従而後。遇丈人以杖荷蓧。

 子路問日、「子見夫子乎。」

 丈人日、「四体不勤、

 五穀不分、孰為夫子。」

 植其杖而芸。

 子路拱而立。

 止子路宿、殺鶏為黍而食之、

 見其二子焉。

 明日、子路行以告。

 子日、「隠者也。」

 使子路反見之。至則行矣。

 子路日、「不仕無義。

 長幼之節、不可廃也。

 君臣之義、如之何其廃之。

 欲潔其身而乱大倫。

 君子之仕也、行其義也。

 道之不行、已知之矣。」


    [ 現代語訳 ]

子路がお供をしていて遅れた。

杖で竹かごをかついでいる老人に出合った。

子路が尋ねて言うには、「あなたは先生を見かけませんでしたか。」と。

老人が言うには、「手足を使って働かず、五穀の見分けもつかないで、そんな誰が先生なのか。」と。

自分の杖をつき立てて草を刈りはじめた。

子路は丁寧な礼をして立っていた。

子路をひき止めて家に宿泊させ、鶏を殺しきび飯を炊いて子路に食べさせ、自分の二人の息子をお目にかからせた。

翌日、子路は追いついて告げた。

孔子が言うには、「隠者だよ。」と。

子路をひき返させ老人に会わせようとした。

到着すると不在だった。

子路が言うには、「仕官しなければ義は成り立たない。年上・年下間のけじめは、捨てることのできないものだ。どうして、主君・臣下間の義を、捨てることができるだろうか。

自分の身を清潔に保とうと思って、人としての大道を乱している。君子が仕官するのは、自分の義を実践しているのだ。人としての道が実践されていないことは、すでに承知している。」と。


    [ 書き下し文 ]

子路従ひて後る。丈人の杖を以つて蓧を荷ふに遇ふ。

子路問ひて日はく、「子夫子を見たるか。」と。

丈人日はく、「四体勤めず、五穀分かたず、孰をか夫子と為す。」と。

其の杖を植てて芸ぎる。子路拱して立つ。

子路を止めて宿せしめ、鶏を殺し黍を為りて之に食らはしめ、其の二子を見えしむ。

明日、子路行きて以つて告ぐ。

子日はく、「隠者なり。」と。

子路をして反りて之を見しむ。至れば則ち行れり。

子路日はく、「仕へざれば義無し。長幼の節は、廃すべからざるなり。君臣の義は、之を如何ぞ其れ之を廃せん。

其の身を潔くせんと欲して大倫を乱す。君子の仕ふるや、其の義を行ふなり。道の行はれざるや、已に之を知れり。」と。






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