香炉峰下、新卜山居


・ 縦書き、全漢字に読み、ひらがな

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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

香炉峰下 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 下 … 物の下の部分、ふもと

・ 山居 … 山の中の住居

・ 卜す … 占って居所を定める

・ 草堂 … 草ぶきの家、粗末な家

・ 初めて … やっと

・ 偶 … 思いがけず


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

香炉峰下 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 慵し … だるくて億劫である

・ 小閣 … 小さな住居

・ 衾 … 寝るときに掛ける夜具

・ 怕る … 恐れる

・ 欹つ … 頭を持ち上げる

・ 撥ぐ … 手に持って高く差し上げる


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

香炉峰下 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 便ち … つまり、とりもなおさず

・ 名 … 名声、名誉

・ 仍ほ … やはり

・ 泰し … 安らかな

・ 寧し … 安らかな

・ 帰す … 最後に落ち着く

・ 何〜 … どうして〜か

   読み「なんぞ〜や」(反語)

・ 独〜 … ただ〜だけ

   読み「ひとり〜のみ」(限定)


     [ 原文 ]

[ 香炉峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁 ]

日 高 睡 足 猶 慵 起

小 閣 重 衾 不 怕 寒

遺 愛 寺 鐘 欹 枕 聴

香 炉 峰 雪 撥 簾 看

匡 廬 便 是 逃 名 地

司 馬 仍 為 送 老 官

心 泰 身 寧 是 帰 処

故 郷 何 独 在 長 安


     [ 現代語訳 ]

[ 香炉峰の麓に、新しく山の住居を占って定め、粗末な家がやっと完成して、

気の向くままに東の壁に書きつける ]

日は高く睡眠は十分なのに、なお起きるのが億劫である。

小さな部屋で夜具を重ねて寝るので寒さの心配は無い。

遺愛寺の鐘の音は枕から頭を持ち上げて聞き、

香炉峰の雪景色は簾を高く持ち上げて眺める。

廬山は、つまり名誉から逃れるのに適当な場所であり、

司馬は、やはり老後を送るのに適当な官職である。

心も身も安らかにくつろげる所が最後に落ち着く場所である。

故郷はどうして長安だけに限られるだろうか。


     [ 書き下し文 ]

[ 香炉峰下、新たに山居を卜し、草堂初めて成り、偶東壁に題す ]

日高く睡り足りて猶ほ起くるに慵し

小閣に衾を重ねて寒を怕れず

遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き

香炉峰の雪は簾を撥げて看る

匡廬は便ち是れ名を逃るるの地

司馬は仍ほ老を送るの官たり

心泰く身寧きは是れ帰する処

故郷何ぞ独り長安に在るのみならんや






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