木曽の最後「木曾左馬頭、その日の装束には」


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五騎がうちまで巴は今井四郎、木曾殿
今井四郎ただ一騎木曾殿はただ一騎

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      [ 現代語訳・品詞分解・読み ]


       [ 現代語訳・原文・語句 ]

木曾左馬頭、その日の装束には、赤地の錦の直垂に、
木曾左馬頭は、その日の衣装としては、赤地の錦の直垂に、
・ 装束 … 衣服

唐綾縅の鎧着て、鍬形打つたる甲の緒締め、
唐綾縅の鎧を着て、鍬形を打ちつけた甲の緒を締め、
・ 打つ(促音便) ← 打ち

いかものづくりの大太刀はき、
いかめしく立派に作った大太刀を腰に差し、
・ いかものづくり … いかめしく立派な外装
・ はく … 腰につける

石打の矢の、その日のいくさに射て少々残つたるを、
石打ちの矢で、その日の戦いで射て少々残っているのを、
・ 残つ(促音便) ← 残り

頭高に負ひなし、滋籐の弓持つて、
その先端が頭上高く突き出るように背負い、滋籐の弓を持って、
・ 頭高に … 矢が頭上高く突き出るさま
・ 持つ(促音便) ← 持ち

聞こゆる木曾の鬼葦毛といふ馬の、きはめて太うたくましいに、
名高い木曾の鬼葦毛という馬で、きわめて太くたくましいのに、
・ 聞こゆ … 世間で評判になる
・ 太う(ウ音便) ← 太く

黄覆輪の鞍置いてぞ乗つたりける。
金覆輪の鞍を置いて乗っていた。
・ ぞ(係助詞・強調) ⇒ 結び:ける(連体形)
・ 乗つ(促音便) ← 乗り

鐙ふんばり立ち上がり、大音声をあげて名のりけるは、
鐙をふんばって立ち上がり、大声をあげて名のったことには、

「昔は聞きけんものを、木曾の冠者、今は見るらん、
「以前は聞いたであろうよ、木曾の冠者を、今は見るであろう、
・ ものを(終助詞) … 〜なあ(詠嘆)

左馬頭兼伊予守、朝日の将軍源義仲ぞや。
左馬頭兼伊予守、朝日の将軍源義仲であるぞ。
・ ぞ(終助詞) … 〜だ(断定)
・ や(間投助詞) … 〜よ(詠嘆)

甲斐の一条次郎とこそ聞け。互ひによい敵ぞ。
甲斐の一条次郎と聞く。互いによい相手だ。
・ こそ(係助詞・強調) ⇒ 結び:聞け(已然形)
・ よし … 適当である

義仲討つて兵衛佐に見せよや。」とて、をめいて駆く。
義仲を討ち取って兵衛佐に見せよ。」と言って、大声で叫んで馬を走らせる。
・ 討つ(促音便) ← 討ち
・ をめく … 大声を出す
・ 駆く … 馬を走らせる

一条次郎、「ただいま名のるは大将軍ぞ。
一条次郎は、「ただ今名のったのは大将軍であるぞ。

あますな者ども、もらすな若党、討てや。」とて、
討ち残すな者ども、討ちもらすな若党、討ち取れよ。」と言って、
・ あます … 取り逃がす
・ な(終助詞) … 〜するな(禁止)

大勢の中に取りこめて、我討つ取らんとぞ進みける。
大軍の中に取り囲んで、自分こそ討ち取ろうと進んだ。
・ 取りこむ … 取り囲む
・ 討つ(促音便) ← 討ち
・ ぞ(係助詞・強調) ⇒ 結び:ける(連体形)

木曾三百余騎、六千余騎が中を、
木曾の三百余騎は、六千余騎の中を、

縦様・横様・蜘蛛手・十文字に駆け割つて、
縦様・横様・蜘蛛手・十文字に馬で突進し撃ち破って、
・ 割る … 砕く
・ 割つ(促音便) ← 割り

後ろへつつと出でたれば、五十騎ばかりになりにけり。
後ろにつっと出たところ、五十騎ほどになってしまった。

そこを破つて行くほどに、土肥次郎実平二千余騎でささへたり。
そこを破って行くうちに、土肥次郎実平が二千余騎で守っていた。
・ 破つ(促音便) ← 破り
・ ささふ … 防ぎとめる

それをも破つて行くほどに、あそこでは四、五百騎、
それをも撃ち破って行くうちに、あそこでは四、五百騎、

ここでは二、三百騎、百四、五十騎、百騎ばかりが中を
ここでは二、三百騎、百四、五十騎、百騎ほどの中を

駆け割り駆け割り行くほどに、主従五騎にぞなりにける。
馬で突進し撃ち破り撃ち破り行くうちに、主従五騎になってしまった。
・ ぞ(係助詞・強調) ⇒ 結び:ける(連体形)






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