未練

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・「未練」は「みれん」と読みます。


・「練」は「習熟する」という意味です。

・「未練」は、一般的には「まだ習熟していない」という意味です。

・「未練」は「ものごとへの執心をきっぱり断ち切れないこと」を意味します。

 本文には「誰かがこの下人に、――飢え死にをするか盗人になるかという問題を、改
めて持ち出したら、おそらく下人は、なんの未練もなく、飢え死にを選んだことであろ
う。」と書かれています。「なんの未練もなく」は、盗人になることへの執心をきっぱ
り断ち切って、という意味です。


  [ 例文 ]

 ① 梶井基次郎の文章から

 主人の放蕩、女狂い、酒乱がそれまでにとにかく得て来た彼の地位を崩してしまった。
そして彼は東京の本店詰めにされ、おまけにその振わない位地へ移されたのだった。彼
女はなにもかもみなあきらめていた。唯一つ彼女にとって未練であったのは自分の生み
の父親に別れることだった。


 ② 岡本かの子の文章から

 借家を探しに行った父親のAが帰って来て雨上りの水泳場で父娘二人きりの夕飯が始
まった。借家はもう半月もして水泳場が閉鎖すると同時にたちまち二人に必要になるの
だが、価値の釣り合などでAはなかなか見つけかねた。場所はまだ下町の中央に未練
あって、毎日、その方面へ探しに行くらしかった。




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