憎悪

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・「憎悪」は「ぞうお」と読みます。


・「憎」は「にくむ」という意味です。

・「悪」は「にくむ」という意味です。

・「憎悪」は「ひどく憎むこと」を意味します。

 本文には「老婆に対する激しい憎悪が、少しずつ動いてきた。」と書かれています。
老婆に対する激しい憎しみが、少しずつわいてきた、という意味です。


  [ 例文 ]

 ① 太宰治の文章から

「私ね、さっき本屋へ行ったのよ。そうしてこれを買って来たの。あなたのお名前も出
ていてよ。」ふところから、新刊の文芸雑誌を出して、パラパラ頁を繰って、その、僕
の名前の出ているところを捜している様子である。「やめろ!」こらえ切れず、僕は怒
声を発した。打ち据えてやりたいくらいの憎悪を感じた。「そんなものを、読むもんじ
ゃない。わかりやしないよ、お前には。」


 ② 芥川龍之介の文章から

 妻は黒いコートに、こげ茶の絹の襟巻をしておりました。そうして鼠色のオーヴァ・
コートに黒のソフトをかぶっている私に、第二の私に、何か話しかけているように見え
ました。閣下、その日は私も、この第一の私も、鼠色のオーヴァ・コートに、黒のソフ
トをかぶっていたのでございます。私はこの二つの幻影を、いかに恐怖に充ちた眼で、
眺めましたろう。いかに憎悪に燃えた心で、眺めましたろう。




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