おぼろげ

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・「おぼろげ」は「はっきりしないさま」を意味します。

 本文には「おぼろげながら、知れるのは、その中に裸の死骸と、着物を着た死骸とが
あるということである。」と書かれています。「はっきりしないが、その中に裸の死骸
と、着物を着た死骸とがあるということを、知ることができる」という意味です。


  [ 例文 ]

 ① 岡本かの子の文章から

「あなたは金魚屋さんの息子さんの癖に、ほんとに金魚の値打ちをご承知ないのよ。金
魚のために人間が生き死にした例がいくつもあるのよ。」Aは父から聴いた話だといっ
て話し出した。その話は、金魚屋に育ったBの方が、おぼろげに話すAよりむしろ詳し
く知っていたのであるが、Aから言われてみて、かえって価値的にBの認識に反覆され
るのであった。


 ② 太宰治の文章から

 ひろい獄舎を厚い板で三つに区切ってあって、その西の一間にAがいた。赤い紙を剪
って十字を作り、それを西の壁に貼りつけてあるのが、くらがりを通して、おぼろげ
見えた。Aはそれにむかって、なにやら経文を、ひくく読みあげていた。




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