無造作

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・「無造作」は「むぞうさ」と読みます。


・「造作」は「手間や費用がかかること」を意味します。

・「無造作」は「気軽なさま、簡単なさま」を意味します。

 本文には「いくつかの死骸が、無造作に捨ててある」と書かれています。死骸が気軽
に捨ててある、という意味です。


  [ 例文 ]

 ① 岡本かの子の文章から

 老紳士は、眼鏡のなかの瞳を忙しく働かせながら、あたりの客の立て込みの工合では、
別に改まった挨拶をせずとも、まだ空のあるA等のテーブルに席を取っても不自然では
ないと、すぐ見て取ったらしい、世馴れた態度で、無造作に通路に遊んでいた椅子を二
つ、A等のテーブルに引き寄せた。自分が先へかけると、今度は、青年を自分の傍に掛
けさせた。


 ② 有島武郎の文章から

 上野の音楽学校にはいってヴァイオリンのけいこを始めてから二か月ほどの間にめき
めき上達して、教師や生徒の舌を巻かした時、A博士一人は渋い顔をした。そしてある
日「お前の楽器は才で鳴るのだ。天才で鳴るのではない。」と無愛想に言ってのけた。
それを聞くと「そうでございますか。」と無造作にいいながら、ヴァイオリンを窓の外
にほうりなげて、そのまま学校を退学してしまった。




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