局所

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・「局所」は「きょくしょ」と読みます。


・「局」は「一部分」という意味です。

・「所」は「場所」という意味です。

・「局所」の意味 ① 全体の中の一部分

         ② 身体の一部分

 本文には「選ばないとすれば――下人の考えは、何度も同じ道を低徊したあげくに、
やっとこの局所へ逢着した。」と書かれています。「同じ道」は、明日の暮らしをどう
にかするためには、手段を選んでいるいとまはない、選んでいれば、飢え死をするばか
りである、選ばないとすれば、盗人になるよりほかにしかたがない、という考え方を指
します。「局所」は、その中の「選ばないとすれば」という部分のことです。


  [ 例文 ]

 ① 岡本かの子の文章から

 新来とはいえAにとってBは手に負えない清新な怪物であった。琴棋書画等趣味のこ
とにかけては大概のことの話し相手になれると同時に、その話し振りは思わず熱意をも
ってAを乗り出させるほど、話の局所局所に、逆説的な弾機を仕掛けて、相手の気分に
バウンドをつけた。


 ② 芥川龍之介の文章から

 彼等は自然と大理石の欄干の外をまわりながら、Aの家族や親戚や交友のことを話し
合った。彼女は微笑を含んだまま、かなり尋ねにくい局所にも巧みに話を進めて行った。
しかしその割に彼女やBの家庭の事情などには沈黙していた。それは必ずしも最初から
相手を坊ちゃんと見くびった上の打算ではないのに違いなかった。




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