始末

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・「始末」は「しまつ」と読みます。


・「始末」は、一般的には「始めから終わりまで」という意味です。

・「始末」は「ものごとの結果として悪い状態が生じたこと」を意味します。

 本文には「この二三年、京都には、地震とか辻風とか火事とか飢饉とかいう災いが続
いて起こった。そこで洛中のさびれ方はひととおりではない。」と書かれているので、
「洛中がその始末である」は、「地震とか辻風とか火事とか飢饉とかいう災いが続いて
起こった」結果として「洛中のさびれ方はひととおりではない」状態になっている、と
いうことを意味します。


  [ 例文 ]

 ① 芥川龍之介の文章から

「実はわたくしの倅(せがれ)、Aと申すものが大病なのでございますが……。」女はち
ょいと言いよどんだ後、今度は朗読でもするようにすらすら用向きを話し出した。Aは
今年十五歳になる。それが今年の春頃から、何ともつかずに煩(わずら)い出した。咳が
出る、食欲が進まない、熱が高まるという始末である。


 ② 横光利一の文章から

 去年、米の供出の場合、村割当量が個人割当に変ったとき、供出せられるだけすべし、
すれば一日四合分配給すると命ぜられたことがある。皆そのつもりになって、どこの村
より真先にある限り完納した。ところが、四合どころか全然配給なしになった。結果は
米を作らせられただけで自身たち食う米がなくなり、そのため村全体でない家を救いあ
うという始末だ。




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