臥薪嘗胆


・ 「臥薪嘗胆」とは、「復讐を志を奮い立たせるため辛苦する、また、目的を達成するため苦労に耐える」という意味です。

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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 挙ぐ … 多くのものの中から取り上げる

・ 謀る … 物事を相談する

・ 誅す … 罪ある者を殺す

・ 奔る … 逃亡する

・ 以ゐる … 率いる


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 復た … ふたたび

・ 事ふ … 仕える

・ 讎を復す … 復讐する

・ 臥す … 横になる、寝る

・ 使A〜 … Aに〜させる

  読み「Aヲシテ〜しム」(使役)

・ 而 … おまえ


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 余兵 … 生き残りの兵士

・ 以ゐる … 率いる

・ 棲む … 身を置く

・ 妾 … 女の召使い

・ 請ふ … お願いする

・ 不可なり … よくない

・ 太宰 … 宰相


 [ 現代語訳・書き下し文4 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 坐臥 … 寝起きする場所

・ 女 … おまえ

・ 挙げて … ことごとく

・ 属す … ゆだねる

・ 而して … そうして

・ 治む … 秩序ある状態にする

・ 謀る … 計画する

・ 事とする … 没頭する


 [ 現代語訳・書き下し文5 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 謀 … 計画

・ 怨望す … 恨みに思う

・ 譖す … いつわりの悪事を告げ口する

・ 乃ち … そこで

・ 賜ふ … 与える

・ 家人 … 家族

・ 可〜 … 〜できる(可能)


 [ 現代語訳・書き下し文6 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 自剄す … 自分で首を切る

・ 尸 … 死体

・ 盛る … 物を容器に入れる

・ 鴟夷 … 馬の革で作った袋

・ 江 … 揚子江

・ 江上 … 大きな川のほとり


 [ 現代語訳・書き下し文7 ]

臥薪嘗胆・十八史略 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 生聚す … 人民を増やし物資を蓄積する

・ 教訓す … 人民を訓練する

・ 三たび … 何度も

・ 北ぐ … 敗れて逃げる

・ 亦 … 同様に

・ 成ぎ … 和睦

・ 請ふ … お願いする

・ 可かず … 認めない

・ 幎冒 … 死者の顔を覆う四角い布




     [ 原文 ]

 闔廬挙伍員謀国事。

 員字子胥、楚人伍奢之子。

 奢誅而奔呉、以呉兵入郢。

 呉伐越。闔廬傷而死。子夫差立。

 子胥復事之。夫差志復讎。

 朝夕臥薪中、出入使人呼曰、

 「夫差、而忘越人之殺而父邪。」

 周敬王二十六年、夫差敗越于夫椒。

 越王句践、以余兵棲会稽山、

 請為臣妻為妾。子胥言、「不可。」

 太宰伯嚭受越賂、説夫差赦越。

 句践反国、懸胆於坐臥、即仰胆嘗之曰、

 「女、忘会稽之恥邪。」

 挙国政属大夫種、而与范蠡治兵、事謀呉。

 太宰嚭、譖「子胥恥謀不用怨望。」

 夫差乃賜子胥属鏤之剣。

 子胥告其家人曰、「必樹吾墓檟。

 檟可材也。抉吾目、懸東門。

 以観越兵之滅呉。」乃自剄。

 夫差取其尸、盛以鴟夷、投之江。

 呉人憐之、立祠江上、命曰胥山。

 越十年生聚、十年教訓。

 周元王四年、越伐呉。呉三戦三北。

 夫差上姑蘇、亦請成於越。范蠡不可。

 夫差曰、「吾無以見子胥。」

 為幎冒乃死。


    [ 現代語訳 ]

闔廬は伍員を重く用いて国の政治をとらせた。

員は字を子胥といい、楚の国の人伍奢の子である。

奢が殺されたので、呉に逃げ、呉の兵を率いて郢に攻め込んだ。

呉が越を攻撃した。闔廬は傷ついて死んだ。

子の夫差が王となった。子胥はまた夫差に仕えた。

夫差はあだを討つことを志した。

朝も晩も薪の積まれたところで寝起きして、出入りするたびに人々に自分に向かって言わせた、「夫差、おまえは越の人がおまえの父を殺したのを忘れたのか。」と。

周の敬王の二十六年に、夫差は越を夫椒で敗った。

越王の句践は、残りの兵をひきつれて会稽山に立てこもり、自分は臣下となり妻は召使いとなりますと願い出た。

子胥は言った、「いけません」と。

宰相の伯嚭は越から賄賂をもらい、夫差を説得して越王を許させた。

句践は国へ帰り、胆を寝起きするところにつるし、寝起きのたびに胆を見上げそれを嘗めて言った、「おまえは会稽で受けた恥を忘れたのか。」と。

国の政治はすべて大夫の種にまかせ、范蠡とともに軍備を整えて、呉を攻略する計画に専念した。

宰相の伯嚭が「子胥は自分の策略が用いられなかったのを恥として恨んでいます。」と嘘をついて悪く言った。

夫差はそこで子胥に属鏤の剣を与えた。

子胥は自分の家の者たちに告げて言った、「必ず私の墓にヒサギの木を植えなさい。ヒサギは棺おけの材料にすることができる。私の目玉をえぐり取って、東門にかけなさい。越の軍が呉を滅ぼすのを見物しよう。」と。

そして自分で首をはねて死んだ。


夫差はその遺体を取りよせ、馬の革で作った袋に入れ、これを揚子江に投げ込んだ。

呉の人たちはこれを気の毒に思い、ほこらを揚子江のほとりに立て、胥山と名前をつけた。

越は十年間は人民を増やし物資を蓄え、十年間は教育訓練した。

周の元王四年、越は呉を攻めた。呉は三回戦い、三回敗北した。

夫差は姑蘇台に上り、同じように和議を越に願い出た。

范蠡は聞きいれなかった。

夫差は言った、「わしは子胥に会わせる顔がない」と。

幎冒を作って自殺した。




    [ 書き下し文 ]

闔廬伍員を挙げて国事を謀らしむ。

員、字は子胥、楚人伍奢の子なり。

奢誅せられて呉に奔り、呉の兵を以ゐて郢に入る。

呉越を伐つ。闔廬傷つきて死す。

子の夫差立つ。子胥復た之に事ふ。

夫差讎を復せんと志す。

朝夕薪中に臥し、出入するに人をして呼ばしめて曰はく、「夫差、而越人の而の父を殺ししを忘れたるか。」と。

周の敬王の二十六年、夫差越を夫椒に敗る。

越王勾践、余兵を以ゐて会稽山に棲み、臣と為り妻は妾と為らんと請ふ。

子胥言ふ、「不可なり。」と。

太宰伯嚭越の賂を受け、夫差に説きて越を赦さしむ。

勾践国に反り、胆を坐臥に懸け、即ち胆を仰ぎ之を嘗めて曰はく、「女会稽の恥を忘れたるか。」と。

国政を挙げて大夫種に属し、而して范蠡と兵を治め、呉を謀るを事とす。

太宰嚭子胥謀の用ゐられざるを恥ぢて怨望すと譖す。

夫差乃ち子胥に属鏤の剣を賜ふ。

子胥其の家人に告げて曰はく、「必ず吾が墓に檟を樹ゑよ。檟は材とすべきなり。吾が目を抉りて東門に懸けよ。以て越兵の呉を滅ぼすを観ん。」と。

乃ち自剄す。

夫差其の尸を取り、盛るに鴟夷を以てし、之を江に投ず。

呉人之を憐れみ、祠を江上に立て、命けて胥山と曰ふ。

越十年生聚し、十年教訓す。

周の元王の四年、越呉を伐つ。呉三たび戦ひ三たび北ぐ。

夫差姑蘇に上り、亦成を越に請ふ。范蠡可かず。

夫差曰はく、「吾以て子胥を見る無し。」と。

幎冒を為りて乃ち死す。







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