捜神記・復活


・ 縦書き、全漢字に読み、ひらがな

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 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

復活・捜神記 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 私悦す … ひそかに愛し合う

・ 配適す … 結婚して夫婦になる

・ 尋いで … まもなく

・ 積年 … 長い年月


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

復活・捜神記 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 逼る … 強制する

・ 戍り … 国境の守備

・ 冢 … 土を高く盛った墓

・ 哭す … 大声で泣く

・ 哀 … 悲しい気持ち


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

復活・捜神記 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 冢を発く … 墓をあばく

・ 将養す … 扶養する

・ 平復す … 元気を回復する


 [ 現代語訳・書き下し文4 ]

復活・捜神記 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 卿 … 同輩に対する呼び名

・ 豈〜耶 … どうして〜か

  読み「あニ〜や」(反語)

・ 相訟ふ … 相手を訴える

・ 郡県 … 郡や県の役所

・ 不能〜 … 〜できない

・ 廷尉 … 朝廷の司法担当の役人

・ 讞る … 審判を求める


 [ 現代語訳・書き下し文5 ]

復活・捜神記 現代語訳・書き下し文・読み


     [ 語句・句法 ]

・ 奏す … 君主に申しあげる

・ 精誠 … 純粋な誠実さ

・ 至 … 至高

・ 常礼 … 通常のきまり




    [ 原文 ]

 晋武帝世、河間郡有男女私悦、許相配適。

 尋而男従軍、積年不帰。

 女家更欲適之。

 女不願行。

 父母逼之。

 不得已而去。

 尋病死。

 其男戍還、問女所在。

 其家具説之。

 乃至冢、欲哭之叙哀、而不勝其情。

 遂発冢開棺、女即蘇活。

 因負還家。

 将養数日、平復如初。

 後夫聞、乃往求之。

 其人不還曰、「卿婦已死。

 天下豈聞死人可復活耶。

 此天賜我。非卿婦也。」

 於是相訟。

 郡県不能決。

 以讞廷尉。

 秘書郎王導奏、「以精誠之至、感于天地。

 故死而更生。此非常事。

 不得以常礼断之。請還開冢者。」

 朝廷従其議。


    [ 現代語訳 ]

晋の武帝の世に、河間郡に男女がひそかに愛し合い、結婚して夫婦になることを許しあった者がいた。

まもなく男は兵役に服し、長年戻らなかった。

女の家では改めて女を嫁がせようとした。

女は嫁ぐのを望まなかった。

父母は女に強制した。

どうしようもなく嫁いだ。

まもなく病気になって死んだ。

その男が国境の守備から帰り、女のいる所を尋ねた。

その家の者は、詳しく事情を説明した。

そこで盛り土した墓に行き、大声で泣いて哀悼の気持ちを表そうとしたが、悲しみの情にたえきれなくなった。

とうとう墓をあばいて棺を開くと、女はすぐに生き返った。

それで背負って家に帰った。

扶養すること数日で、もとのように元気を回復した。

もとの夫が聞きつけ、そして出向いて女の返還を求めた。

その人は返さないで言った、「あなたの妻はもう死んでしまった。世の中に死人が再び生き返ることなど、どうしてありえようか。これは天が私にくださったのだ。あなたの妻ではないのだ。」と。

そこで訴えた。

郡や県の役所は決めることができない。

それで司法を担当する役人に審判を求めた。

秘書郎の王導が上奏した、「最高に純粋な誠実さが天地を感動させたのです。それで死んだ者が生き返ったのです。これは普通のことではありません。通常のきまりではこれを判断することは不可能です。どうか墓をあばいた者に返してください。」と。

朝廷はその意見に従った。


    [ 書き下し文 ]

晋の武帝の世、河間郡に男女私悦し、相配適せんことを許すもの有り。

尋いで男軍に従ひ、積年帰らず。

女が家更めて之を適がしめんと欲す。

女行くを願はず。

父母之に逼る。

已むを得ずして去く。

尋いで病みて死す。

其の男戍りより還り、女の在る所を問ふ。

其の家具に之を説く。

乃ち冢に至り、之を哭して哀を叙せんと欲すれども、其の情に勝へず。

遂に冢を発き棺を開くに、女即ち蘇活す。

因りて負ひて家に還る。

将養すること数日、平復すること初めのごとし。

後夫聞き、乃ち往きて之を求む。

其の人還さずして曰はく、「卿が婦は已に死す。天下豈に死人の復た活くべきを聞かんや。此れ天の我に賜ふなり。卿が婦に非ざるなり。」と。

是に於いて相訟ふ。

郡県決する能はず。

以て廷尉に讞る。

秘書郎王導奏す、「精誠の至を以て、天地を感ぜしむ。故に死して更めて生く。此れ非常の事なり。常礼を以て之を断ずるを得ず。請ふ冢を開く者に還せ。」と。

朝廷其の議に従ふ。








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