愛蓮の説


・ 縦書き、全漢字に読み、ひらがな

HOME(漢文記事一覧)





 [ 現代語訳・書き下し文1 ]

愛蓮説 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 可〜 … 〜できる

   読み「〜べし」(可能)

・ 愛す … 愛好する

・ 蕃し … 数が多い

・ 自〜 … 〜から

   読み「〜より」(起点)

・ 李唐 … 唐王朝

・ 来 … 現在までの年月の間

・ 淤泥 … きたない泥

・ 漣 … さざ波

・ 妖なり … 色っぽい美しさがある


 [ 現代語訳・書き下し文2 ]

愛蓮説 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 亭亭たり … 高くそびえ立つさま

・ 遠観す … 遠くから眺める

・ 褻玩す … 近づいて親しくもてあそぶ

・ 謂へらく … 思うには

・ 隠逸者 … 俗世間から逃れて隠れ住む人

・ 富貴者 … 金持ちで地位や身分の高い人

・ 君子者 … 学識や人格に優れた立派な人


 [ 現代語訳・書き下し文3 ]

愛蓮説 現代語訳・書き下し文


     [ 語句・句法 ]

・ 鮮し … 少ない

・ 何人 … どのような人

・ 宜なり … もっともである

・ 〜乎 … 〜だなあ

   読み「〜かな」(詠嘆)

・ 衆し … 多い




     [ 原文 ]

水陸草木之花、可愛者甚蕃。

晋陶淵明独愛菊。

自李唐来、世人甚愛牡丹。

予独愛蓮之出淤泥而不染、濯清漣而不妖、

中通外直、不蔓不枝、香遠益々清、

亭亭浄植、可遠観而不可褻翫焉。

予謂、菊華之隠逸者也、

牡丹華之富貴者也、蓮華之君子者也。

噫、菊之愛、陶後鮮有聞。

蓮之愛、同予者何人。

牡丹之愛、宜乎衆矣。


     [ 現代語訳 ]

水中や陸上の草木の花には、愛好すべきものが非常に多い。

晋の陶淵明はひとり菊を愛した。

唐王朝以来現在まで、世の人々はとても牡丹を愛している。

私ひとりは、蓮の花が、泥の中から出て来ても泥に染まらず、清らかなさざ波に洗われても色っぽい美しさがなく、茎の中は穴が通っていて外側はまっすぐに伸び、

蔓もなく枝もなく、香りは遠くなるほどますます清らかに漂い、すっくと清らかに立ち、遠くから眺めることはできるが、近づいて親しくもてあそぶことはできないのを愛す。

私が思うには、菊の花は隠逸した人物であり、牡丹の花は富貴な人物であり、蓮の花は君子たる人物である。

ああ、菊を愛する人について、陶淵明以後聞くことがほとんどない。

蓮を愛する人について、私と同等の人はどのような人なのか。

牡丹を愛する人について、多いのも当然だなあ。




     [ 書き下し文 ]

水陸草木の花、愛すべき者甚だ蕃し。

晋の陶淵明独り菊を愛す。

李唐より来、世人甚だ牡丹を愛す。

予独り蓮の淤泥より出でて染まらず、清漣に濯はれて妖ならず、中通じ外直く、蔓あらず枝あらず、香り遠くして益清く、亭亭として浄く植ち、遠観すべくして褻玩すべからざるを愛す。

予謂へらく、菊は華の隠逸なる者なり、牡丹は華の富貴なる者なり、蓮は華の君子なる者なりと。

噫、菊を之れ愛するは、陶の後聞く有ること鮮し。

蓮を之れ愛するは、予に同じき者何人ぞ。

牡丹を之れ愛するは、宜なるかな衆きこと。





Copyright プロ家庭教師タカシ All Rights Reserved