赤壁之戦


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赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

     [ 語句・句法 ]

・ 卒す … 死ぬ

・ 挙げて … 全てで

・ 降る … 降伏する

・ 奔る … 逃走する

・ 走る … 逃走する

・ 請ふ〜 … どうか〜


     [ 原文 ]

 曹操撃劉表。表卒。子?挙荊州降操。

 劉備奔江陵。操追之。備走夏口。

 操進軍江陵、遂東下。

 亮謂備曰、「請求救於孫將軍。」

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 遺る … 送る

・ 治む … 取り仕切る

・ 会猟す … 決戦する


      [ 原文 ]

 亮見権説之。権大悦。

 操遺権書曰、「今治水軍八十万衆、

 与将軍会猟於呉。 」

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 群下 … 大勢の臣下

・ 莫不〜 … 〜しないものはない

  読み「〜ざルなシ」(二重否定)

・ 色を失ふ … 顔色を変える

・ 不可 … よくないこと

・ 勧A〜 … Aに勧めて〜させる

  読み「Aニすすメテ〜シム」(使役)

・ 召す … 呼び寄せる


       [ 原文 ]

 権以示群下。莫不失色。

 張昭請迎之。

 魯粛以為不可、勧権召周瑜。

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 至る … やって来る

・ 保す … 請け合う

・ 斫る … 断ち切る

・ 奏案 … 奏上文を載せる机


       [ 原文 ]

 瑜至曰、「請得数万精兵、

 進往夏口、保為将軍破之。」

 権抜刀斫前奏案曰、

 「諸将吏敢言迎操者、与此案同。」

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 督す … 統率する

・ 逆ふ … 待ち受ける

・ 遇ふ … 戦う


       [ 原文 ]

 遂以瑜督三万人、与備幷力逆操、

 進遇於赤壁。

 瑜部将黄蓋曰、「操軍方連船艦、

 首尾相接。可焼而走也。」

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 蒙衝 … 堅牢な軍船

・ 闘艦 … 軍艦

・ 燥荻 … 乾いた荻

・ 枯柴 … 枯れた柴

・ 帷幔 … 陣幕

・ 旌旗 … 軍旗

・ 走舸 … 快速の軍船


       [ 原文 ]

 乃取蒙衝 ・闘艦十艘、載燥荻枯柴、

 灌油其中、裹帷幔、上建旌旗、

 予備走舸、繋於其尾。

 先以書遺操、詐為欲降。

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 中江 … 川の中ほど

・ 余 … 残り

・ 次 … 後に続くこと


       [ 原文 ]

 時東南風急。蓋以十艘最著前、

 中江挙帆、余船以次倶進。

 操軍皆指言、「蓋降。」

 去二里余、同時発火。

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 北船 … 曹操軍の船

・ 軽鋭 … 軍装の身軽な強い兵士

・ 雷鼓す … 太鼓を打ち鳴らす

・ 北軍 … 曹操の軍

・ 壊る … 敗れる


       [ 原文 ]

 火烈風猛、船往如箭。

 焼尽北船、烟焔漲天。

 人馬溺焼、死者甚衆。

 瑜等率軽鋭、雷鼓大進。

 北軍大壊、操走還。

   
赤壁之戦・十八史略 現代語訳・書き下し文

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     [ 語句・句法 ]

・ 志を得 … 目的を達成する

・ 〜耳 … 〜だけだ

  読み「〜のみ」(強調)


       [ 原文 ]

 後屢加兵於権、不得志。

 操歎息曰、「生子当如孫仲謀。

 向者劉景昇児子、豚犬耳。」




     [ 現代語訳 ]

曹操が劉表を攻撃した。

劉表は死んだ。

子の劉?は荊州全土において曹操に降伏した。

劉備は江陵に逃れた。

曹操はこれを追った。

劉備は夏口に逃れた。

曹操は軍を江陵に進め、そのまま東に下った。

諸葛亮が劉備に向かって言うには、「どうか救援を孫権将軍に求めてください。」と。

諸葛亮は孫権にお目にかかって説いた。

孫権はたいそう喜んだ。 

曹操が孫権に書簡を送って言うには、「今、水軍八十万の軍勢を率い、将軍と呉において決戦したい。」と。

孫権は大勢の臣下に書簡を見せた。

顔色を変えない者はいなかった。

張昭はこれを受け入れましょうと願い出た。

魯粛は受け入れるべきではないと主張し、孫権に進言して周瑜を呼び寄せさせた。

周瑜がやって来て言うには、「どうか数万の精兵をお与えいただき、夏口に軍を進め、将軍のためにこれを打ち破ることを請け合います。」と。

孫権が刀を抜き前にあった上奏文を載せる机を断ち切って言うには、「諸々の将軍や官吏であえて曹操を迎えたいと言う者は、この机と同じだろう。」と。

こうして周瑜に三万人の兵を統率させ、劉備と協力して曹操を迎え撃ち、軍を進めて赤壁で会戦した。

周瑜の部将黄蓋が言うには、「ちょうど今、曹操の軍は船艦を連ね、船首と船尾が隣接しています。焼き打ちして敗走させるべきです。」と。

そこで蒙衝や闘艦十艘に、乾いた荻と枯れた柴を載せ、油をその中に注ぎ、陣幕で覆い、その上に軍旗を立てた。

前もって快速の軍船を準備して、その船尾につないだ。

まず書簡を曹操に送り、偽って、降伏したいと思うと伝えた。

その時東南の風が強く吹いた。

黄蓋は十艘の軍船を最前列に着け、川の中流で帆を挙げ、その他の船は後に続いて一緒に進んだ。

曹操の軍では皆、指差して、「黄蓋が降伏してきた。」と言った。

二里余り離れた所で、同時に火を放った。

火勢は激しく風は猛烈で、船は矢のように突き進んだ。

曹操軍の船を焼き尽くし、煙と炎が空一面を覆っていた。

人も馬も溺れ焼けて、死んだ者がひどく多かった。

周瑜らは軽装の強い兵士を率いて、太鼓を打ち鳴らして大いに進撃した。

曹操の軍は大敗し、曹操は逃げ帰った。

その後たびたび軍を孫権に送ったが、目的は達成しなかった。

曹操がため息をついて言うには、「子どもを生むのならば孫仲謀のようであってもらいたい。以前降伏した劉表の子、劉?は、豚や犬にすぎない。」と。




     [ 書き下し文 ]

曹操劉表を撃つ。

表卒す。

子?荊州を挙げて操に降る。

劉備江陵に奔る。

操之を追ふ。

備夏口に走る。

操軍を江陵に進め、遂に東に下る。

亮備に謂ひて曰はく、「請ふ救ひを孫将軍に求めん。」と。

亮権に見えて之に説く。

権大いに悦ぶ。

操権に書を遺りて曰はく、「今水軍八十万衆を治め、将軍と呉に会猟せん。 」と。

権以つて群下に示す。

色を失はざるは莫し。

張昭之を迎へんと請ふ。

魯粛以つて不可と為し、権に勧めて周瑜を召さしむ。

瑜至りて曰はく、「請ふ数万の精兵を得て、進んで夏口に往き、保して将軍の為に之を破らん。」と。

権刀を抜き前の奏案を斫りて曰はく、「諸将吏敢へて操を迎へんと言ふ者は、此の案と同じからん。」と。

遂に瑜を以つて三万人を督せしめ、備と力を幷はせて操を逆へ、進んで赤壁に遇ふ。

瑜の部将黄蓋曰はく、「操の軍方に船艦を連ね、首尾相接す。焼きて走らすべきなり。」と。

乃ち蒙衝 ・闘艦十艘を取り、燥荻・枯柴を載せ、油を其の中に灌ぎ、帷幔に裹み、上に旌旗を建つ。

予め走舸を備へ、其の尾に繋ぐ。

先づ書を以つて操に遺り、詐りて降らんと欲すと為す。

時に東南の風急なり。

蓋十艘を以つて最も前に著け、中江に帆を挙げ、余船次を以つて倶に進む。

操の軍皆指さして言ふ、「蓋降る。」と。

去ること二里余り、同時に火を発す。

火烈しく風猛く、船の往くこと如箭のごとし。

北船を焼き尽くし、烟焔天に漲る。

人馬溺焼し、死する者甚だ衆し。

瑜等軽鋭を率ゐて、雷鼓して大いに進む。

北軍大いに壊れ、操走げ還る。

後屢兵を権に加ふれども、志を得ず。

操歎息して曰はく、「子を生まば当に孫仲謀のごとくなるべし。向者の劉景昇の児子は、豚犬なるのみ。」と。






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