[ 解説 ]
・題名 … 山行(さんこう)
・作者 … 杜牧(とぼく)
・詩形 … 七言絶句
・押韻(おういん) … 斜、家、花
・主題 … ものさびしい山に登って出あった紅葉で真っ赤に染まった楓の林の美しさ
[ 現代語訳・書き下し文・原文 ]
山行
山行
山あるき
遠上寒山石径斜
遠く寒山に上れば石径斜めなり
遠くものさびしい山を登ると石の多い小道が斜めに続いている。
・寒山(かんざん) … ものさびしい山
・石径(せっけい) … 石の多い小道
白雲生処有人家
白雲生ずる処人家有り
白雲がわき上がるあたりに人家がある。
停車坐愛楓林晩
車を停めて坐ろに愛す楓林の晩
車をとめて何とはなしに夕暮れのかえでの林に心うたれる。
・坐(そぞ)ろに … 何とはなしに
・愛す … じっと見とれる
・楓林(ふうりん) … とうかえでの林
・晩(くれ) … 夕暮れ
霜葉紅於二月花
霜葉は二月の花よりも紅なり
霜によって紅葉した葉は二月頃に咲く花よりもさらに赤い。
・霜葉(そうよう) … 霜によって紅葉した木の葉
・A〜於B … AはBよりもさらに〜(比較)
読み「AハBヨリモ〜」
・二月の花 … 陰暦二月頃に咲く花
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