ある人、弓射ることを習ふに


・ 徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」の現代語訳と品詞分解です。現代語訳と品詞分解を並べて記載しています。

・ 500個ほど有るといわれている重要語句はカラーで表示しています。150個ほど有るといわれている最重要語句には印を付けています。

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       [ 現代語訳・品詞分解・原文 ]

ある人弓射る・徒然草 現代語訳・品詞分解・原文


       [ 詳しい解説 ]

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。
諸矢(もろや)
ある人が、弓を射ることを習う時に、二本の矢を手にはさんで持って的に向かう。
・ 射る … ヤ行上一段活用の動詞「射る」の連体形
・ 習ふ … ハ行四段活用の動詞「習ふ」の連体形
・ たばさみ … マ行四段活用の動詞「たばさむ」の連用形
・ 向かふ … ハ行四段活用の動詞「向かふ」の終止形

師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。
先生が言うには、「初心の者は、二本の矢を持ってはいけない。
・ いは … ハ行四段活用の動詞「いふ」の未然形
・ く … 「準体助詞」または「接尾語」
・ 持つ … タ行四段活用の動詞「持つ」の連体形
・ なかれ … ク活用の形容詞「なし」の命令形

のちの矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。
あとの矢をあてにして、初めの矢に対しておろそかに思う気持ちが生じる。
・ 頼み … マ行四段活用の動詞「頼む」の連用形
☆ 頼む … あてにする
・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の終止形


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毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
射るたびにただ当たり外れを考えず、この一本の矢で決めようと思え。」と言う。

わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。
たった二本の矢、先生の前で一本をおろそかにしようと思うだろうか。

懈怠の心、自ら知らずといへども、師これを知る。
なまけ怠る心は、自分では気づかないといっても、先生はこれをわかっている。

この戒め、万事にわたるべし。
この戒めは、すべてのことに通用するだろう。

道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、
仏道を修行する人は、夕方には翌朝のあることを思い、

朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。
朝には夕方があることを思って、もう一度ていねいに修行しようと心づもりをする。

いはんや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。
まして、ほんの一瞬のうちにおいて、なまけ怠る心のあることに気づくだろうか。

なんぞ、ただ今の一念において、
なんとまあ、現在のほんの一瞬において、

ただちにすることのはなはだ難き。
ただちに実行することがたいそう難しいことか。






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