通ひ路の関守


・ 伊勢物語「通ひ路の関守」の現代語訳と品詞分解です。現代語訳と品詞分解を並べて記載しています。

・ 500個ほど有るといわれている重要語句はカラーで表示しています。150個ほど有るといわれている最重要語句には印を付けています。

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       [ 現代語訳・品詞分解・原文 ]

通ひ路の関守・伊勢物語 現代語訳・品詞分解・原文


       [ 詳しい解説 ]

昔、男ありけり。
昔、男がいた。
・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の連用形
・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形

東の五条わたりに、いと忍びて行きけり。
東の京の五条通りに面したあたりに、たいそう人目を忍んで行った。
・ 忍び … バ行四段活用の動詞「忍ぶ」の連用形
☆ 忍ぶ … 人目につかないようにする
・ 行き … カ行四段活用の動詞「行く」の連用形
・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形

みそかなる所なれば、門よりもえ入らで、
こっそり通う所なので、門からは入れなくて、
・ みそかなる … ナリ活用の形容動詞「みそかなり」の連体形
○ みそかなり … こっそりするさま
・ なれ … 断定の助動詞「なり」の已然形
☆ え〜(打消) … 〜できない
・ 入ら … ラ行四段活用の動詞「入る」の未然形

童べの踏みあけたる築地のくづれより通ひけり。
子供たちが踏みあけた築地のくずれた所から通った。
・ あけ … カ行下二段活用の動詞「あく」の連用形
・ たる … 存続の助動詞「たり」の連体形
・ 通ひ … ハ行四段活用の動詞「通ふ」の連用形
・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形

人しげくもあらねど、たび重なりければ、
人目が多い所ではないが、たび重なったので、
・ しげく … ク活用の形容詞「しげし」の連用形
・ あら … ラ行変格活用の動詞「あり」の未然形
・ ね … 打消の助動詞「ず」の已然形
・ 重なり … ラ行四段活用の動詞「重なる」の連用形
・ けれ … 過去の助動詞「けり」の已然形


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あるじ聞きつけて、その通ひ路に、
主人が聞きつけて、その通り道に、

夜ごとに人を据ゑて守らせければ、
毎晩人を置いて見張らせたので、

行けどもえあはで帰りけり。さてよめる。
行っても逢えないで帰った。それで詠んだ。

  人知れぬわが通ひ路の関守は
  人に知られないように私が通っている道の見張り番は

  宵々ごとにうちも寝ななむ
  毎夜毎夜ぐっすり寝込んでしまってほしいものだ。

とよめりければ、いといたう心やみけり。
と詠んだので、女はとてもひどく心を痛めた。

あるじ許してけり。
主人は許してしまった。

二条の后に忍びて参りけるを、
二条の后のところに人目を忍んで参上していたのを、

世の聞こえありければ、せうとたちの守らせ給ひけるとぞ。
世の中の評判があったので、兄弟たちが守らせなさったということだ。






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